第1章 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
§3 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
フランスの協力によって完成した「ドイツ圏」
(p.43-44)

-およそ一億三千万人の住民のゾーンですね。
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 そうだね。しかしこの空間はドイツの影響力にだけ依存しているわけではない。ドイツは、フランスの協力なしには決して大陸の支配権を握ることはできなかっただろう。それが、この地図の示すもう一つの要素だ。
 フランスとフランスの経済システムの自主的隷属、そしてフランスのエリートたちがおそらく彼らにとって ー しかしフランスの民衆にとってではない ー ユーロという金ぴかの監獄を受け入れたという事実。フランスの銀行は、この金ぴかの監獄の中でなんとか生き延びている。フランスは6500万人の住民をドイツ圏に付け加える。ドイツ圏に大陸のスケールの中で一つの限界をこえる人口の塊を提供しているわけだ。

-ほとんど2億人の規模……。

 ということは、我々はすでにロシアや日本の規模を超えているということだね。

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 ドイツ本国とドイツ圏の合計でおよそ、1億3000万人の人口となっており、この時点でロシアと日本に匹敵する人口となっていますが、それにフランスの人口を足すと約2億人となり、明らかにロシア、日本を超え、アメリカに次ぐ規模となります。そしてフランスには独自の核戦力を保有しております。従ってドイツにフランスが従属することで、ドイツが西ヨーロッパにおいて圧倒的な支配権を確立することができたと言えます。

 なお、トッド氏は、第7章にてフランスのエリートたちが富裕層、とりわけフランクフルトの銀行家たちに仕えている有様に対して愛国心から大変批判をしております。

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