第1章 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
§5 アメリカと「ドイツ帝国」の衝突
力をもつと非合理的に行動するドイツ
(p.67-68)

ーこれほどに告発する以上、われわれはドイツに対してより警戒的でなければいけないと考えるのですね?

 たしかに私は悲観的だ。ドイツが望ましい方向に推移していく蓋然性は日々低下している。すでに極めて低い水準にまで落ちている。ドイツの権威主義的文化は、ドイツの指導者たちが支配的立場に立つ時、彼らに固有の精神的不安定性を生み出す。これは第二次世界大戦以来、起こっていなかったことだ。
 歴史的に確認できる通り、支配的状況にある時、彼らは非常にしばしば、みんなにとって平和でリーズナブルな未来を構想することができなくなる。この傾向が輸出への偏執として再浮上してきている。おまけに、ドイツの指導者たちは今や、ポーランドの不条理性やウクライナの暴力との間の相互的影響の中にいる。悲しいことにドイツの行方は私にとって完全に未知数というわけではない。
 どのようにしてドイツは悪い方向へ転回していくだろうか?ドイツ人集団の年齢の中央値が高いことや、これといった軍事組織がないことによって、このプロセスにはブレーキがかかる可能性がある。が、それにしても、毎週のようにドイツの態度のラディカル化が確認されるのが現状だ。イギリス人に対する、またアメリカ人に対する軽蔑、メルケルが臆面もなくキエフを訪れたこと(2014年8月)…。ドイツがヨーロッパ全体をコントロールするためにフランスの自主的隷属が極めて重要であるだけに、フランスとの関係のあり方が現実を露見させていくだろう。

 
 ドイツの家族型は直系家族で、権威を重視し、平等ではないことが当たり前の価値観を持っていることが特徴です。さらに、自民族中心主義のため、支配的立場に立つ時には必ず序列をつけることを是としています。直近では第二次世界大戦の時にもヒトラーによってその性質が発揮されました。
 ドイツの態度のラディカル化、というところについては私のような日本に在住している人間にとってはいまいちピンときませんが、「ドイツは国力に見合った積極外交を打ち出すことになるかもしれない」「ドイツの発言力増大のフランスの支持を得るための代償として、西アフリカへ積極的に関与する」という報道(積極姿勢に転じるドイツ外交:wedge infinity)がその傍証といえるように思えました。
 シリア難民問題のEU諸国への受け入れに関しては、事実上ドイツの鶴の一声で決定したようなものであり、ドイツの権威主義的な傾向はますます強まってきているように感じます。

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