第1章 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
§3 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
「離脱途上」ーイギリス
(p.48)

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 次はイギリスだ。私はイギリスを「離脱途上」というように描写した。なぜならばイギリス人たちは、彼らにとってゾッとするものである大陸ヨーロッパのシステムに加入することはできない。
 彼らはある種のフランス人たちとは違い、ドイツ人に従う習慣をもっていないのだ。それだけではなく彼らは、ドイツ的ヨーロッパよりはるかにエキサイティングで、老齢化の程度もより低く、より権威主義的ではないもう一つの別の世界である「英語圏」つまり、アメリカやカナダや旧イギリス植民地の世界に属している。

 私はある折りに、彼らのジレンマに共感すると述べた。貿易上は格別に重要であるが、メンタル的にはどうしても和解できないタイプのヨーロッパを前にして、イギリス人であることはどれほど居心地が悪いものであるかを語ったのだ。 

 イギリスはヨーロッパの中で島国のため、ヨーロッパ大陸に単一の巨大な勢力が形成されることをよしとせず、必ず2つの勢力を対立させるように仕向けてきたことで知られています。さらにイギリス(イングランド、ウェールズ)の家族型は自由であることを重視する絶対核家族でドイツとは異なります。そのため、ヨーロッパの中でドイツが単独で強大になってしまうことに対して、イギリス人がメンタル的に違和感を感じたり居心地が悪く感じるのは当然といえば当然のように思います。
 

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