第2章 ロシアを見くびってはいけない
人口学的指標が示すロシアの健全さ
(p.92)

 しかし、こうした経済領域では、私は仮設を述べるにとどめます。それに対して、仮設にではなく現実に属するのは、ロシアの人口学的要素の非常に力強い立ち直りです。多くのヨーロッパ諸国を羨ましがらせるような、健全な何かがそこにはあります。
 とはいえ、誇張は控えます。仮に不幸にして私が祖国から追放されるようなことが起これば、私はうちの家系に定着した伝統に従いますよ。亡命先はアメリカです。ロシアではありません!

 これにて第2章のご紹介は終了ですが、数々の統計データからはっきりいえることは、プーチン大統領下のロシアは、ソ連崩壊に伴う影響からようやく回復しつつあるという現実でした。「あらかじめ裏切られた革命」を読了した後では、有能なリーダーに代わることでここまで国が立ち直るのかと思わざるにはいられませんでした。
 万一祖国追放されたらロシアではなくアメリカ、というのはトッド氏はカトリックに改宗したユダヤ系のフランス人であり、過去にユダヤ系住民を迫害した歴史の有無も踏まえるとこればかりは致し方ないと思われます。

 なお、日本の政界において、客観的にリーダーが有能か無能かを判断するには各種の統計データによる推移を参照するのがベストであると考えます。

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