全部で86回の長期にわたって紹介を行いました「あらかじめ裏切られた革命」。

91年8月クーデター以降、96年までのソ連/ロシアの様子を著者が実地取材を丹念に何度も行って得た内容を大変わかりやすく詳細に纏められていました。

このブログでも回数を分けて紹介をおこなってきましたが正直かなり分量が厚く、紹介しきれなかった部分も少なからすありました。

1986年のチェルノブイリ原発事故から5年で体制が崩壊し、著者による執筆が終了した後のロシアは98年に債務不履行をおこしてしまい、ロシアの対外的信用および国力はまさにどん底へ落ちてしまい、2000年に新しいリーダーであるプーチンが大統領に就任してからようやく社会秩序が回復し始めることとなったのでした。

プーチンが登場するまでのロシアの政治はもっぱら私利私欲と自身の勢力温存を図ることばかりであり、ジリノフスキーのように反エリツィンを標榜していた政党は旧ソ連共産党や国家組織の工作によって意図的に設立されたという状況でした。

ロシアの人々はこの間の混乱期を「利権(体制内マフィア)」「闇市・地下マフィア」「外国とのビジネス」の3ルートのいずれか、または複数を利用して生き残りを図ろうとしました。しかし、「外国とのビジネス」ルートは最も真っ当なものでしたが資格や条件などのハードルが高く、「利権」ルートは利権自体にありつけるコネが、「闇市・地下マフィア」ルートは最も手軽であるが独自の掟があり、それに従わないものは容赦なく殺されるなどいずれのルートも様々な制約がありました。

海外の情報をいち早く掴み、時流に乗りビジネスを始めて成功したり、利権にものを言わせて武器などの密売で多額の富を得た人も現れましたが、上記の3ルートを利用できなかった人々や急激な変化についていけなかった老人や病弱者たちは容赦なく切り捨てられてしまいました。

翻って今の日本はどうでしょうか。

あの「3.11」から4年が経過し、その間人口減少社会に突入し、財政赤字や貿易赤字が深刻化しました。火山噴火や大型台風など自然災害が相次いで発生する中、ギリシャ、中国で経済危機が発生して世界経済が急激に悪化しつつあります。さらに朝鮮半島や南シナ海など日本周辺で小規模な軍事的衝突が発生し、対外的緊張が高まりつつあります。

こうした中では、今一度、旧ソ連崩壊で起きたことが日本でも発生するということを想定しておく必要があるのではないかと思います。

つまり、しばらくは政治に頼れないので自分たちでなんとかしないといけない、ということです。

今後、色々と模索していきたいと思います。

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