第7章は、第6章の最後にご紹介した、1%の富裕層が大量に富を蓄積していることと関連します。

 富を大量に蓄積している富裕層はごくわずかですが、彼らは国家に「投資」することで資産の運用を図ろうとしています。その結果として、国家は彼らに対して「政府債務」を負う形となります。
 万一、政府債務が巨大化し、政府自体がデフォルト(破綻)してしまうと、彼らの投資分が焦げ付いてしまいます。そのため、彼らは「緊縮財政政策」「歳出削減」を政府に要求することで政府を債務奴隷にし、投資を回収しようと図ります。
 これに対してトッド氏は、横暴な富裕層に対しては政府が意図的に、連鎖的にデフォルトを起こすことで大幅に債務を減らすことで、彼らの勢力を一掃するべきであると主張しています。

 この章でのインタビューは2011年12月時点のものと多少古いですが、フランスならではの、自由と平等を求める精神、そしてオランド大統領がどうして当選できたのかがなんとなくわかった次第です。

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