第6章 ドイツとは何か?
フランスがドイツに隷属する背景
(p163-168)

 -フランス政府の服従をどう説明しますか? モントワール・シンドロームでしょうか?(モントワール=シュール=ロワールはフランス中部の町。1940年10月24日、この街で、当時フランス国の元首となっていたペタン元帥がヒトラーと会見し、対独協力を開始した。)

 現在のフランスの指導層の振る舞いの源流を探すなら、私が目を向けるのはヴィシー政権の方ではありません。なぜならまず、あの当時の強大なドイツ国防軍(ヴェアマハト)はもはや存在しないからんです。
 次に、フランスは核兵器を保持しているからです。
 思うに、現代フランスの上層階級の行動の基礎には二つのファクターがあります。最初に挙げるべきは、フランス人ブルジョワの昔から持っている願望の幻でしょう。すなわち、「ああ、治める相手が規律正しい民だったらどんなによいことか!」というやつです。
 しかし、フランスとドイツのそれぞれの指導層の間には、かなり新しい何かが発生しています。世界のすべての先進国社会に共通する特徴の一つは、人口の1%を占める最富裕層が、銀行システムと金融活動に強く結びついたグループとして出現しているということです。ひとつの新しい関係がフランスの1%とドイツの1%の間に定着しつつあります。単一通貨とヨーロッパ中央銀行の設置によって、フランスの寡占支配者たちに対するドイツの寡占支配者たちの支配が確立されつつあるのです。
 これは歴史上初めてのことです。
 

 
本書で記載されているユーロの問題とドイツの問題、そしてなぜフランスがドイツに付き従うのか?という点がひとつにまとまってつながってくる一節と感じました。

フランスの上層階層が昔から「治める相手が規律正しい民だったらどんなによいことか」と思っていたのは初めて知りました。フランス北部・パリ盆地とはことなる直系家族型を取る一般ドイツ国民は、規律を重視することはご紹介しています。つまり、フランスの上層階層はドイツ国民のような規律正しい人々を支配するという願望があるのではと私は読み取りました。
 

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