第5章 オランドよ、さらば! -銀行に支配されるフランス国家
真の権力中枢はメルケルでなくドイツ経済界
(p140-141)

 -ということは、アンゲラ・メルケル首相と真っ向対決することが必要という考えに賛同するのですね? 経済の悪循環を断ち切り、ふたたび成長を見出し、そして左翼を再強化するために…。
 
 メルケルを攻略するというのは、フランス社会党の最後の幻想だよ。とりもなおさず、代理人を攻略するということだからね。
 メルケルよりも、その背後のドイツ経済界こそが、ユーロ圏が吹っ飛んでしまうのを嫌がっている。ドイツ式に組織されたあちらの経営者たちの支持のおかげで、マリオ・ドラギ欧州中央銀行総裁は銀行救済政策をやれるのだよ。
 彼らは隣国フランスの産業を最終的にボコボコにしてしまおうとしているのだが、それにはまだあと4年はかかる。ちょうど、オランドの大統領任期が続く長さだ。
 現況はだな、こんな風に図式化できるよ…。(一枚の紙を取り出し、ペンで図を描く)
 紙の上の方に、「ドイツの経営者団体」。
 そのすぐ下に、少し話して、「メルケル、ヨーロッパ保護領(!)管理担当」。
 ドイツの経営者団体に直接使える形で、「欧州中央銀行」。
 欧州中央銀行に仕える形で、「フランスの諸銀行」。
 諸銀行のコントロールの下に、「経済財務省の会計検査官たちと、ピエール・モスコヴィッチ(当時、経済財務大臣)、広報(!)担当」
 そして、いちばん下に、「フランソワ・オランド」。
 オランドには、これといった特定の役割は見出せない。だから、こう書こう。「無」(笑)。
 

ここでは一国の大統領が、盟主となっている国の金融機関の配下となっている様子が示されています。上記について、フランスを日本に、フランス社会党を自民党に、左翼を右翼に、ドイツをアメリカに、ユーロをドルとして置き換えるとまさに今の日本がおかれている状況とそっくりであると感じたのは私だけでしょうか?

Follow me!